TALPKEYBOARD BLOG

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GrabShell|起死回生を狙った異形の国産エルゴノミックキーボード

https://kbd.news/GrabShell-2008.html


本記事は筆者が仕入れ検討中に情報を整理したもので実機レビューではありません。本製品は製造元のdotBravo社が2024年に自己破産しており、販売は終了しています。


要点

  • 変形可能なエルゴノミックキーボード
  • 両手持ち形態とエルゴノミクス形態に変形
  • 背面にアルファベットキー
  • 前面に各種ポインティングデバイスを配置

概要

GrabShellは、現在は会社が清算されたdotBravo社が2023年に販売した変形可能なエルゴノミックキーボードです。オフィス内での移動時に使えるデバイスとして両手持ちでタイプするという操作スタイルを考案したそうです。

両手持ちの形態では、背面に配置されたアルファベットキーによりキー入力、前面にモディファイアキーとトラックボール、ジョイスティック、ロータリーエンコーダーといったポインティングデバイスというレイアウトです。背面のキーは折りたたみ式で左右に展開可能、展開すればエルゴノミクスキーボードと中央部に入力デバイスというレイアウトでデスクトップでも利用可能というスペックです。

現在考えられうる機能や構成を、ある意味全て詰め込んで製品化された、2023年当時でも極めて異質な、しかも国内の新進メーカーによるキーボードでした。国内外で話題を集め、予約受付開始から30分で初回1,000台が完売したそうです。


主な特徴

  • 構成:背面にMX互換スイッチ、前面にロータイプスイッチと各種ポインティングデバイス
  • デバイス搭載:ジョイスティック、トラックボール、ホイールエンコーダー、トグルスイッチ
  • 接続方式:ワイヤレス
  • 展開状態:机上での使用も可能(両翼を展開することでセミスプリット化)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000064603.html


主なスペック

項目 内容
ブランド dotBravo
製品名 GrabShell
キー数 約74キー(MX互換×64+ロータイプ×10)
接続方式 ワイヤレス
スイッチ対応 MX互換(背面・翼)、ロータイプ(前面)
本体サイズ 220×160×40〜90mm(閉じた状態)/490×240×18〜48mm(展開時)
重量 約950g

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000064603.html


注意

  • dotBravo社は既に会社清算がされており、販売およびサポートは終了している模様です。
  • 当時使われていたドメインは利用停止または別の所有者が利用中、アクセスの際はセキュリティリスクに注意が必要です。

追記

2023年にGrabShellは販売開始、そのスペックからメディアでも注目を集めました。アマゾンでも一時期販売がされていましたが、2024年にdotBravo社の自己破産により販売を終了しました。

dotBravo社は2019年に設立され、当初は顔認証システムの製造販売を行なっていましたが、コロナ禍の折に体温測定システムを追加した製品の販売で業績を伸ばしたそうですが、コロナ禍が収束することによる販売の落ち込みにより経営が悪化、ある意味起死回生的な商品が、このGrabShellだったようです。

新進メーカーの、しかも日本企業のキーボードとしては異例の注目度だったと記憶していますが、その特異すぎる、ユーザーを選ぶ形状と価格が、彼らの窮状を救うほどの大ヒットにはつながらなかったのだろうと考えます。ただ、このチャレンジ精神は、日本の企業が作ったキーボードとして、記憶に残しておきたいと思っています。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000064603.html


参考情報


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