
※本記事は筆者が過去製品の資料をもとに情報を整理したもので、実機レビューではありません。あらかじめご了承ください。
2014年頃、TrewGripという大変面白いコンセプトのキーボードが発表されました。開発者向けキットは販売されましたが、量産はされずに開発終了した模様です。今回はこのTrewGripについて紹介します。
この製品の要点
- TrewGripの構造と特徴
- 裏側入力という独自設計の意図
- 開発キットの展開と終息
TrewGripの概要
TrewGripは、タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスと連携することを想定した、両手持ち前提の「背面入力式」キーボードです。51キーでQWERTY配列のレイアウトをを維持しながら、キーはすべてデバイスの裏側に配置。親指用のいくつかの機能キーを表側に、他の指は裏面からキーをタイピングする構造となっており、いわばコントローラーとキーボードの中間のような入力デバイスです。
持ち方はゲームコントローラーに近く、机に置かず両手持ちで操作する設計です。場所を選ばずにタッチタイピングを実現しようというコンセプトのもと、工場での機器操作用や、教育現場、また福祉機器としての利用も想定されていたようです。


主な特徴
- バックグリップ式のキーボードレイアウト(QWERTY配列を背面に再構成)
- タブレットやスマートフォンとの組み合わせを前提とした設計
- 前面には親指用のナビゲーションボタン・タッチパッドを配置
- 有線・無線(Bluetooth)両対応
- 開発者向けキットを限定販売


注意点
- 本製品は現在一般流通していない過去の製品です。
- 製品サイトは更新も途絶え、一部コンテンツも閲覧不能です。
- 開発者向けキットのみ少量販売され、量産販売には至りませんでした。
まとめ
TrewGripは、キーボードの常識を覆す「背面入力」という設計思想に挑戦した数少ない製品です。モバイル時代における新たな入力スタイルとして、一定の注目を集めたものの、量産や普及には至りませんでした。
2014年頃というと、キーボードのオープンソース化が始まった時期で、中国での安価なプロトタイプの製造や、3Dプリントなどの普及にも至っておらず、相当な開発費がかかったのだろうと思われます。10年ほど時代を先取りしすぎたのかもしれません。
この記事は、現存する公式資料をもとに構成されたもので、実機検証は行っていません。記載内容の正確性については保証いたしかねます。あらかじめご了承ください。
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