TALPKEYBOARD

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Apple純正配列のメカニカルキーボードを調べました

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前回に引き続き、当店の問い合わせフォームにご相談いただいた内容について書いてみます。今回はApple純正キーボードをずっと愛用してきていて純正配列から変わりたくないが、現在の純正キーボードはキーが薄くて使いづらい。自作キーボードキットでApple純正配列を実現しているものはないだろうか、というお話でした。ちなみにここで記したMac純正配列の主な相違点は、テンキーのプラスが小さい、アスタリスクが右上にある、です。下のキーボードがADB端子を用いていた時代の純正キーボードです。テンキーの配列をご参照下さい。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%BA%90%E3%82%AD%E3%83%BC#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Apple_(Standard)_Keyboard_M0116.jpg

このご相談、しっかり考えて回答する必要があると感じました。単純にフルサイズに近い自作キーボードキットや、キー配列が変更できるというお話をするべきではないと思ったのです。お客様は、自作キーボードを新たに趣味として始めたいとおっしゃっているのではなく、現在業務に利用している機材のうちの一つであるキーボードを、より良いものに更新したいという事が真意です。自作キーボードパーツのショップである当店に相談してきたからといって、安易に既存のキーボードと自作キーボードの比較を行い、優位性をちらつかせ薦めるべきではないと考えまして、またしても完成品をおすすめする事としました。

 

 

というわけで、Apple純正配列のメカニカル(ライク含む)キーボードを調べました。以下に記します。

 

東プレ R2-JPVM-WH REALFORCE R2 for MAC 日本語 フルキーボード (114配列 標準)シルバー/白 昇華印刷 変荷重
24,480円(税込)

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いきなり真打ちの登場です。といいますか、Mac用のサードパーティー製キーボードはほとんどが薄いキーになってしまっていて、メカニカルキーボードがほとんどありません。Mac対応のキーボードはそれでもありますが、純正配列と同じものは非常に少なくなってきてしまっています。

その中でも REALFORCE R2 for MAC は実に素晴らしく、Mac純正のフルサイズキーボードの配列にしっかり準拠しています。細かいところがよく考えられており、デザインも現在のMacにマッチしそうな感じに合わせてきています。ADB時代のアルプスキースイッチの打鍵感とは異なりますが、静電容量方式は、現在の市販キーボードでは最高のタッチのひとつでしょう。耐久性もありますし、国内メーカーの製品ですのでサポート体制も安心です。

 

 

Matias Tactile Pro keyboard JP for Mac メカニカルキーボード 日本語配列 MAC用 USB ホワイト FK302-JP
19,060円(税込)

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以前に分割型のメカニカルキーボードで紹介したMatias社が販売している、一体型フルサイズのキーボードです。英語配列と日本語配列があります。キー配列はMac純正のものに準拠しています。キースイッチは、Matiusブランドのメカニカルキースイッチを使っていますが、これはADB時代のアップルキーボードで使われていたアルプス製キースイッチのノックダウン生産品です。当時のアルプスに比べるとやや安っぽくなりましたが、懐かしさを感じるタッチではあります。耐久性は若干劣るという話を聞いたことはあります。

 

 

ADBキーボード USBコンバーター USB Type-C版 (macOS向け)
2,800円

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何度かADB時代のアップル純正キーボードと書きましたが、これはUSB接続の前にアップルが採用していた接続形式のADBを用いたキーボードのことを指しています。もしお客様がADB時代のアップル純正キーボードの完動品を持っていたらと考え、こちらのADB-USBコンバータも紹介しておきました。ただしメーカー製品ではなく同人ハードなので、将来的なサポートまでは厳しいのではないかとのコメントも付記しました。

booth.pm

 

こういった形でご紹介のメールを返信して数日後、丁寧なお礼とともに東プレの購入を検討してみますとのメールを頂きました。少し高いのでどうかとは思いましたが、しっかり長く使えるので選んでいただいてよかったなと思っています。

これまで4年お店を続けてきまして、色々なご質問やご相談を受けるようにもなりました。以前は当店で販売している商品をすでに理解していて、決め打ちで購入されてゆく方が多かったのですが、最近はこのように、範囲が広めのご相談を受けることが増えました。

ただ今回のようなお客様に関しては、無理に自作キーボードへバイアスをかけないように気をつけています。相談内容の真意をフラットに考えて、解決案をお出ししてゆこうと思っています。自作キーボードについては、その言葉を持って浮かぶ印象や定義が、人それぞれ違います。また異なる幅が広いと感じています。

それは趣味としては非常に楽しいのですが、反面キーボードを仕事で利用されている方々にとっては、道具としてのキーボードにそこまで深入りしたくはないという気持ちもあるでしょう。その間合いを間違わないようにしながら、今後もお話できてゆければと考えています。

 

キーボードの完成品はおろかキットさえも販売していない自作キーボードのショップです。よろしくお願いいたします。

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