こんにちは。4回目のTALPキーボードニュースです。今回は海外のキットやキーボード関係を中心に、この1週間でリリースされた自作キーボードやキーボードキット、キーボードに関する新製品や情報などをご紹介します。
海外の新製品などの紹介
先週はRaspberry Pi Picoを使ったOrtholinearを紹介しましたが、日本より一歩先んじて、海外ではこれらの新しいマイコンを使ったキーボードを作り、市販する動きがでています。その中から今回はこのキーボード(マクロパッド)キットをご紹介します。
Adafruit MacroPad RP2040 Starter Kit - 3x4 Keys + Encoder + OLED 44.95USD-
Adafruit社が販売を開始したキーボード(マクロパッド)キットです。他の電子デバイス系の企業と同様、Adafruitもいままでキーボードキットはリリースしてきませんでしたが、Picoがリリースされたこのタイミングでキーボード(マクロパッド)キットをリリースしました。
このキットはRP2040をマイコンとして搭載、3x4のキーと124x64の大きめなOLED、RGBLEDという仕様です。Kailhのキースイッチとソケット、透明のDSAプロファイルのキーキャップなどもキットに添付されていて、購入すれば他のパーツを購入とも組み立てが可能です。コストパフォーマンスの非常に高いキットです。RGBLEDも搭載と、昨今の一通りの機能は包含されています。概要は以下の動画をご覧ください。
RP2040は現在のところQMK Firmwareではサポートされていないため、Arduino IDEまたはCircuitPythonを使う必要がある点は、あらかじめご注意ください。Raspberry Pi Pico関連は、その普及のために各社が力を入れてきそうです。今後が面白そうですね。
Adafruitsのメカニカルキーボードカテゴリです。予想以上にラインアップが拡充されてきています。以下をご覧ください。
なおRP2040を搭載したSparkFunのPro Microサイズのマイコンボードは遊舎工房で発売されています。
DROP + OLKB PREONIC KEYBOARD MX KIT V3 110USD-
先週も紹介したDropですが、先日この自作キーボードキットの草分けであるPreonicのセールが開始されました。PCBとアルミケースのセットでセール価格110ドルとかなり安くなっています。中国で同じようなデザインの自作キーボードキットがいくつか販売されていますが、そちらと本家本元が同じ価格に近づいてきています。グループバイ形式だと毎回売り切れていたので、顧客対応や手間を考えてDropは在庫を持つ戦略に切り替えたのかもしれません。そんなDropの内情はともかくとして、これはお買い得な商品だと思います。
CYBERBOARD R2 ※価格不明
前回の海外販売ではすぐに完売してしまった カスタムキーボードキットのCYBERBOARD。今回はR2として再発売です。少し前に日本向けのTwitterが開設されていましたが、日本国内での販売はMakuakeを使って行うそうです。てっきり代理店販売を行ったりするのかと思っていました。
国内新製品ニュースから
ありそうでなかった、キーボードの角に置いて手首痛を緩和するコーナーリストレスト
インプレスケータイWatchの記事です。確かに世の中のリストレストはキーボードの前に置く作りです。しかし腕はななめにキーボードに向かいますので、特にサイズの小さいキーボードを使っている場合は有効かもと思いました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
BOOTHから
Equilibrium Keyboard rev.1 ¥12,000-(基板&ケースセット)
発売開始してから少し時間がたっていますが、今回はBOOTHからはこちらの自作キーボードキットを紹介します。40%キーボードで最下段両端のキーがない、HHKB的デザインです。
ボディはクリアアクリルですが、一番の特徴はクリアアクリルをぴっちりすき間なく積層していることです。ケース内の反響を抑える目的だそうですが、こうするとRGBLEDを光らせた場合、画像のように側面に光がでてとても美しいのです。ただしアクリル板を多く使いますのでコストがかさみます。この価格はとてもお買い得だと思います。
ショップから
ISP1807搭載Microボード(Pro Microピン互換)¥3,300-(税込)
スイッチサイエンスから先週リリースされた、Pro Microピン互換のISP1807というBLEモジュールを搭載したマイコンボードです。USB-Cを搭載、CPUはARM Cortex-M4Fです。QMKでの動作は不明です。スイッチサイエンスのページではArduino IDEまたはCircuitPythonでのプログラム手順が掲載されています。
こういったPro Microの代替ボードが増えているようにも見受けられます。こちらも注意してゆこうと思います。
MOMOKA Silver Bullet Keyboard Cable ¥3,410-(セット価格例)(税込)
遊舎工房から先日発売されました。透明なチューブにシルバーの細いケーブルが入っているおしゃれなUSBケーブルです。線は2mmととても細いです。キーボード側のコネクタ形状にあわせて種類があり、またケーブルの組み合わせで長さが選べます。商品ページはこちらから。
Everglide Bamboo Green キースイッチ (ホワイト/グリーン/5ピン/62g/タクタイル/5個)¥750-(税込)
TALP KEYBOARDから6/25に発売開始しました。Everglide社製のメカニカルキースイッチです。ボディはホワイト、ステムは竹の色にあわせた薄いグリーンです。材質はステムが耐摩耗性に富み自己潤滑性を持つポリアセタール(POM)、ボディは機械的特性および摩耗特性にすぐれたポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)が使われています。
Everglide キースイッチ おためしセット(Ver.2)¥750-(税込)
TALP KEYBOARDから6/25に発売開始しました。好評のEverglide キースイッチ おためしセットをVer.2にアップデートしました。今回はBamboo Green スイッチを追加して6種類となっています。内訳は以下の通りです。
Everglide Aqua King キースイッチ
(クリア/5ピン/62g/リニア/5個)
Everglide Tourmaline Blue Cyan キースイッチ
(クリア/トルマリン/5ピン/45g/リニア/5個)
Everglide Crystal Violet キースイッチ
(クリア/パープル/5ピン/45g/タクタイル/5個)
Everglide Dark Jade キースイッチ
(ホワイト/ブラック/5ピン/50g/タクタイル/5個)
Everglide Oreo キースイッチ
(スモーキー/5ピン/45g/タクタイル/5個)
Everglide Bamboo Green キースイッチ
(ホワイト/グリーン/5ピン/62g/タクタイル/5個)
今週のTALPキーボードニュースは以上となります。こうやって書き出していていくつか感じたことがあります。
国内の個人が制作する自作キーボードキットは、新たに発表される数が落ち着いてきた印象を受けます。キースイッチは若干飽和気味で、この後どれが残ってゆくかという状況かと思います。海外はRaspberry Pi Picoを用いてのキーボードを開発するという波が見えてきています。
来週までに気づいたことを書き留めておくようにしたいと思います。それではまた次回、よろしくお願いいたします。