先週は1回お休みをいただきまして、今回で5回目のTALPキーボードニュースです。今回はこの2週間でリリースされた新製品や情報などをご紹介します。それでは始めます。
- 海外の新製品などの紹介
- Adafruit NeoKey Trinkey - USB NeoPixel Mechanical Key Switch 6.95USD-
- NeoKey Socket Breakout for Mechanical Key Switches with NeoPixel - For MX Compatible Switches 1.75USD
- NeoKey 1x4 QT I2C - Four Mechanical Key Switches with NeoPixels - STEMMA QT / Qwiic 9.95USD
- Sparcfun Button Pad 4x4
- Keyboard Switch Adapter
- 海外の自作キーボード紹介
- BOOTHから
- ショップから
海外の新製品などの紹介
先日紹介しましたAdafruitが、マクロパッド以外にも商品を増やしています。面白いものがいくつかありますので紹介してゆきます。
Adafruit NeoKey Trinkey - USB NeoPixel Mechanical Key Switch 6.95USD-
1キーのマクロパッドキットです。ボードを直接USBポートに挿して使います。マイコンはATSAMD21を搭載、RGBLEDも搭載しているので、キースイッチをはんだづけして、ArduinoIDEまたはCircuitPythonでプログラムします。ガジェットとしてセンスがありますし、手軽な試作ボードとしても面白いと思います。
このマイコンを搭載しAdafruitが販売している小さなマイコンボードのNeoKeyを使って、ブレッドボード上でキーボードを試作できるキースイッチ用ボードも販売されています。ちなみにこのボードに載っているボードは9つのセンサーを搭載しているみたいです。すごい。
NeoKey Socket Breakout for Mechanical Key Switches with NeoPixel - For MX Compatible Switches 1.75USD
https://www.adafruit.com/product/4978
NeoKey 1x4 QT I2C - Four Mechanical Key Switches with NeoPixels - STEMMA QT / Qwiic 9.95USD
https://www.adafruit.com/product/4980
国内の自作キーボードキットのほぼ全てが、ProMicroとQMKの組み合わせです。ドキュメントも多く過去の皆さんの経験も活用できすばらしいと思います。しかし今気になるのは半導体の不足です。実は半導体はしばしば突然ディスコンになります。ハードウェア製造は半導体のディスコンがひとつの大きな悩みです。そのような中でAtmelのチップはよく今まで安定して入手供給できたなと思います。
ですがProMicroの価格も確実に上がってきています。そして新しいマイコンたちの性能は非常に高く、今までよりも新しいことができる可能性があります。ぜひここの技術も目に留めておいて頂けると嬉しいです。
あとAdafruitはデザインセンスがとても良いです。前回紹介したマクロパッドのプレートですが、このデザインはかっこいいと思いませんか?本社はニューヨークですし、創業者でありCEOのリモール・フリードさんがこんなにニューヨークパンクな感じでかっこいいのですから当然なのですけど。
Sparcfun Button Pad 4x4
ProMicroの本家本元で皆さんご存知のSparcfunも、メカニカルキーボードではありませんが、ボタンパッドをオリジナルで開発しています。イメージとしては音楽機材に使われているパッドをイメージしているようです。
ボタン側に金属リングがあり、基板に触れると通電する簡単な仕組です。この仕組を使い、ボタンは3DプリンタてTPUを使って作ると、より安価な自作キーボードキットが作れたりするのではと思いました。
Button Pad Hookup Guide - learn.sparkfun.com
Keyboard Switch Adapter
オムロンのキースイッチまたKailh Chocのキースイッチに取り付けるアダプタです。取り付けるとなんとCherryMXのキーキャップが使えるようになります!なおどのキーキャップでも使えるかどうかや、耐久性がどうなのかなどは全く不明です。Aliexpressで販売されている商品ですので...
https://ja.aliexpress.com/item/1005002585115437.html
海外の自作キーボード紹介
販売されている新商品ではありませんが、海外の方々が作った自作キーボードの作例などをいくつか紹介します。
Finally complete my handwired build
プレートは真鍮でLaserboostでのカット、木材は知り合いのカスタムナイフを作っているところで作ってもらったそうです。これは雰囲気のある、非常に美しい作品です。
Finally complete my handwired build : ErgoMechKeyboards
Curse 46
まず目に止まったのがISO-ENTERキーの配置です。そうかと気付かされました。次に3Dプリンタぽさのないケースの素材です。HMWPE(高分子ポリエチレン:エンジニアリングプラスチックの一種)を自分の持っているCNCフライスで加工したとのことです。目立ちませんがオリジナリティの塊でした。
Learned to design my own PCB for this oddity, very happy with the end result! : MechanicalKeyboards
Corne/CRKBD Keyboard Tray
先日もCorneの一体型の作例は紹介しましたが、こちらはCorneのキーボードトレイです。これは固定せずにそのまま置くだけのようです。雰囲気が変わりますね。Thingiverseにデータもあります。ぜひおためし下さい。
I made a thing: Corne/CRKBD Keyboard Tray : ErgoMechKeyboards
CRKBD (Corne) Keyboard Tray by bdiu - Thingiverse
メカニカルキーボードのデータベースサイト:MechDB - A community-driven database of mechanical keyboard related information
すごい数のメカニカルキーボードが載っているサイトです。画像もスペックも掲載されています。ベンダーリストもあります。世界規模でまとまっているのはびっくりです。
Mechanical Keyboards Database - custom keyboards photos
制作された方からツイートを頂いています。6000ほどのデータをredditからインポートして作成したとのことです。今後色々進化してゆくようです。ぜひ皆さんチェックしてみてください。
FYI there is currently more than 6000 (curated) keyboards photos, mostly imported from Reddit. One of the plan for the future is to refine this dataset and maybe train some model to do image segmentation/classification
— FKcaps (@KcapsF) 2021年7月2日
BOOTHから
Pistachio_ver2 ¥18,000-(通常版)
JIS配列、ファンクションキーと左右端に5キーずつ追加されていた分割キーボードの自作キーボードキットです。JIS配列とファンクションキーがあり既存環境からの移行がしやすいメリットがあります。ステンレスプレートとRGBLEDでルックスも素敵、キースイッチはホットスワップ対応、VIAとRemapに対応しておりキーマップ変更も容易と、最新の流れは全て取り入れられています。
ミニ丸 ¥13,200-(スターターキット)
ミニ丸は、ペンダント、4x4キーパッド、カーソル・スティック・ユニットをコネクタで接続することで、さまざまなレイアウトのキーボードや入力デバイスを作ることのできる自作キーボードキットです。@Biacco42氏の提唱したModuloアーキテクチャをカスタマイズして作られています。コンセプトとして非常に面白いと思います。作者ページとあわせてご覧ください。
ショップから
Lilakey(リラキー)サイトオープン
ゆかりキーボードファクトリーが名称とレイアウトを変更してリニューアルオープンです。かわいい全面のデザインになりました。Lilakeyは自作キーボードキットの名作Mint60の販売と、Taihaoのキーキャップの販売を行っています。Taihaoは元々日本のパソコンのキーパーツ生産から始まった会社ですが、培った技術を生かして、今は色々なメーカーのキーキャップを企画製造すると同時に、自社ブランドでのキーキャップを販売しています。これが結構攻めたカラーリングで素敵です。OrtholinearやERGO系のセットがないののが残念ですが、ぜひ一度サイトを見ていただければと思います。キースイッチはGateronが勢揃いしています。
(遊舎工房)EZ MX Switch Opener ¥5,280-(税込)
キースイッチをはさんでスイッチを開けることが出来るスイッチオープナーです。小さくGateronのロゴが入っています。一度に大量のキースイッチを開ける必要がある場合には、手が疲れなくてよいかもしれません。
(遊舎工房)KBDfans Acrylic Keycap Collector Box ¥3,300-(税込)
アクリル製のアルチザンキーキャップ入れです。シンプルでいいですね。アクリル製とありますが、切削しているのでしょうか、それとも型で作っているのでしょうか。実物を見てみたいです。
KBDfans Acrylic Keycap Collector Box – 遊舎工房
(TALPKEYBOARD)Relegendable ブランクキーキャップ (2個セット/クリーム) ¥110- 税込
クリアパーツとの2層構造になっているブランクキーキャップです。2層の間に文字や記号を印刷した紙をはさんで使います。POSレジのキートップによく使われているものと仕組みは同じです。
サイズはクリアパーツを組み付けた状態で、高さ8mm、底面は18mm四方、天面は15mm四方です。画像で入れている紙は13mm四方で作り、コピー紙に標準品質で印刷したものです。アイデア次第でいろいろ面白そうです!
(TALPKEYBOARD)1upkeyboards Soft Panda キースイッチ(3ピン/リニア/5個)¥250- 税込
1upkeyboardsが販売しているリニアキースイッチを数量限定で販売します。アッパーボディはポリカーボネート、ロアボディはナイロン製と最近のカスタムキースイッチ定番のケースを持ち、スプリングは67gとなっています。Holy Pandaの素材や形状を用いながらのリニアスイッチですので、Soft Pandaと名付けられています。
今週のTALPキーボードニュースは以上となります。それではまた来週、よろしくお願いいたします。