
GMKから、かなり変わったキーボードアクセサリー TriggerKey が登場しました。
一見すると特殊なキーキャップですが、実際には通常のMX系キースイッチの上へ取り付けるレバー式の入力機構です。
一般的なキーキャップはスイッチのステムと一緒に垂直方向へ上下します。
TriggerKeyでは、キー上面を軸で支えて前後に傾け、その動きを内部の部品を介してスイッチへ伝えます。
さらに2本の調整ネジと3種類のStem Capを組み合わせ、
- 指が動いてからスイッチが押されるまでの位置
- キー上面の傾き
を機械的に変更できます。
2026年10月6日に発売。4キーセットで49ユーロです。
「作動点を変えるキーキャップ」の仕組み
GMKはTriggerKeyを「adjustable actuation」と表現しています。
ただし、Hall EffectやTMRスイッチのようにスイッチ内部の電気的な作動位置そのものを書き換える仕組みではありません。
TriggerKeyを取り付けても、下にあるCherry MXなどのメカニカルスイッチ自体の作動点は変わりません。
変わるのは、指でTriggerKeyを動かした量と、実際にスイッチのステムが押されるタイミングの関係です。
レバー機構と調整ネジによって、キー上面がどの位置まで動いたときに下のスイッチを作動させるかを機械的に変えています。
そのため、既存のメカニカルスイッチを交換せずに操作量を調整できるのが特徴です。

0〜2mmの作動位置調整
TriggerKeyには2本の調整ネジがあります。
そのうち1本は、スイッチを押し始める位置の調整用です。
メーカー公称の調整範囲は0〜2mm。
ネジ位置を変えることで、レバーが動いてから下のスイッチへ力が伝わるタイミングを変えます。
ここでも注意したいのは、この2mmが「MXスイッチの内部作動点を0〜2mmへ変更する」という意味ではないことです。
あくまでTriggerKey側のレバー機構における調整量です。
キー上面を0〜34°まで傾けられる
もう1本のネジは、キー上面の傾き調整に使います。
調整範囲は0〜34°。
WASDのようなゲーム操作で使うキーを指の自然な位置に合わせたり、キーごとに角度を変えたりできます。
通常のキーキャップでは、プロファイルによって各列の角度はほぼ固定されています。
TriggerKeyでは、それを1キー単位で調整できることになります。
3種類のStem Capで押下特性を変更
セットには高さの異なる3種類の交換式Stem Capが付属します。
高さは、
- 0.7mm
- 1.2mm
- 1.7mm
です。
このStem CapがTriggerKeyのレバーと下のスイッチの間で力を伝えます。
高さを変えることでプリロードやスイッチが押され始める位置が変化し、操作感にも影響します。
GMK自身も、レバー機構によって元のスイッチのフォースカーブや特性が変化する可能性があると説明しています。
Cherry MXと多くのGateronに対応
TriggerKeyは、一般的なMX系スイッチのハウジングへ固定して使用します。
GMKが対応を案内しているのは、
- Cherry MX
- 多くのGateron製MX系スイッチ
などです。
North-facing / South-facingの両方向に対応します。
一方で、
- Kailh BOX系
- 多くのHall Effectスイッチ
には対応しません。
MX十字ステムがあるだけでは十分ではなく、TriggerKeyのベースを固定できるスイッチハウジング形状も必要になります。
購入前にはGMKの互換情報を確認した方がよさそうです。

Rapid Triggerになるわけではない
TriggerKeyは、通常のメカニカルスイッチへRapid Triggerを追加する製品ではありません。
Rapid Triggerでは、キーの物理位置を連続的に検出し、押し込み・戻し量に応じてON/OFF位置を動的に変更します。
通常のMXメカニカルスイッチは接点がONになる位置とOFFになる位置が基本的に固定されているため、TriggerKeyを追加してもこの仕組み自体は変わりません。
TriggerKeyが変更するのは、人間の指の動きをスイッチへどう伝えるかです。
電子制御ではなく機械的な方法で操作量を調整する点が、この製品の面白いところです。
4キーセットなのもゲーム用途を意識
1セットにはTriggerKeyが4個入っています。
内容は、
- TriggerKey ×4
- Stem Cap 3種類 ×各4個
- 取り付け工具
- 調整工具
- 交換用ネジ
- クイックスタートガイド
- 収納ケース
です。
フルキーボードを置き換える製品ではなく、WASDなどゲーム中によく使う4キーへの装着を想定しています。
実際、GMKもTriggerKeyをゲーム向けに最適化した製品として案内しており、長時間の文章入力には推奨していません。
GMKらしいダブルショットABS
キー上面には、GMKでおなじみのダブルショットABSを採用しています。
形状はCYLスタイル。
ベースはPA、Stem CapはPOM、ピボットピンと調整ネジはステンレス製です。
バックライト透過には対応しません。
カラーはBoW、WoB、Classic Beigeのほか、赤、青、黄、緑、紫、ピンク、オレンジなど複数用意されています。
主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | GMK TriggerKey |
| 発売日 | 2026年10月6日 |
| 構造 | レバー式キー入力アダプター |
| セット数 | 4キー |
| 対応 | Cherry MX、対応するGateronなど |
| 非対応例 | Kailh BOX、多くのHEスイッチ |
| スイッチ方向 | North / South対応 |
| 作動位置調整 | 0〜2mm |
| 傾き調整 | 0〜34° |
| Stem Cap | 0.7 / 1.2 / 1.7mm |
| キー形状 | CYLスタイル |
| キー素材 | ダブルショットABS |
| ベース | PA |
| Stem Cap | POM |
| ピン・ネジ | ステンレス |
| バックライト | 非対応 |
| 着脱寿命 | 100回以上(メーカー公称) |
| セット重量 | 75g |
| 収納時サイズ | 104×83×22.5mm |
| 保証 | 2年間 |
| 価格 | 49ユーロ |

まとめ
GMK TriggerKeyは、普通のキーキャップとはかなり違う製品です。
MX系スイッチの上にレバー機構を追加し、
指の動き → レバー → スイッチ
という新しい伝達経路を作ります。
0〜2mmの作動位置調整、0〜34°の傾き調整、3種類のStem Capによって、既存のメカニカルスイッチを交換せず操作感を変えられます。
一方、Hall Effectキーボードのようにスイッチ内部の作動点を電子的に変更したり、Rapid Triggerを追加したりする製品ではありません。
むしろ面白いのは、近年ソフトウェアと磁気センサーで行われてきた「入力位置の調整」に対して、GMKが完全に機械的なレバー機構で別解を出してきたことです。
しかも4キーだけ。
フルキーボードを変えるのではなく、WASDなど必要な場所だけ入力機構そのものを変更する、かなり特殊なアクセサリーです。