突然ですが、私はモノを見たり触ったりするのが大好きです。モノの作りを通して、このモノはどのような意図で、どのようなユーザーに、何を提供したかったのかという想いが伝わってきます。ここにこだわったというポイントも伝わりますし、残念ながら妥協してしまった点、技術力や資金が不足してしまった点も伝わります。手を抜いちゃったところも。
自作キーボードキットには、開発者の想いや独創的技術が詰まっています。技術力の限界はあれども、考える時間やキットにかけるコストはある程度使うことができますし、キットという自由度の高い販売形態を取っているので、製品が取得しなければならない各種規格からは自由です。メーカーが製造するキーボードは、企画部門や開発部門の集団として合意形成されたコンセプトと高い技術を見ることができます。ただし開発コストや販売価格の制限があります。両者の得意な範囲と不得意な範囲は多くが異なっている、そこに面白さがあるのだと思います。
TALPKEYBOARDでは、定期的にメーカーが製造するキーボードも(お小遣いが続く限り)記事にしてゆくつもりです。チャレンジしているキーボードは、個人メーカーの種別は問わず、みなさんのキーボード制作の参考になるかと思っています。
今回はこちらを紹介します。
Perixx PERIBOARD-805ERGO ¥3,499-(税込)
折り畳み式のBluetoothキーボードです。気になった点はご覧いただければわかるように、左右分離型の形状をとっているという事です。Aliceに似ていますね。サイズも小さそうでしたので、実物を手に入れることにしました。Amazonで販売中。ちなみに¥3,499-(税込)と安い。左右分離型のキーボードの中では最安値じゃないでしょうか。
広げた寸法はPlanckより少し大きい位。キーは主に15mm角で数字キーの縦幅を縮めて60%のキー数をまとめています。イメージ的には1Uサイズと0.8Uサイズのキーキャップを一回り小さくした感じです。このサイズだと普通に打鍵ができるかと思います。
左右の幅もそこそこちょうど良いです。Bluetoothも充電も問題ありません。ただしキータッチはかなり厳しいです。薄いメンブレンもしくはシートで作られているのだと思います。まあ、極薄で折りたたんで持ち運び可能でエルゴノミック配列のBluetoothキーボードを3000円台でとなると、そこを犠牲にせざるを得なかったのだと思います。
畳んだ状態です。なんとなく若干高級ぽくみえる合皮素材です。折り畳みは蝶番式ではなく、この合皮素材と別の布素材で柔らかく作っています。布系素材なので長期間使うと痛む可能性はありますが、蝶番よりは壊れにくそうです。
上から見た図です。薄いです。これのどこに基板と充電池が入っているでしょうか。分解したくなりましたが一体成型なので、もう少し覚悟ができてから破壊するようにします。一枚板で薄いのではなく、左右の下側の枠が少し盛り上がっていて、なんとなくパームレスト調で手のひらを置く事ができるようになっています。細かくがんがえているなあと思いました。
持ち運び便利なエルゴノミックキーボードですが、残念ながら当分コロナのおかげで外出も出張もままならない状況です。落ち着いたら外でも使ってみようと思います。
ぺリックス PERIBOARD-805EUS - エルゴノミクス 人間工学 ワイヤレス キーボード - 折りたたみ式 - 英語配列 【正規保証品】
- メディア: Personal Computers
ペリックスのその他製品はこちらから。
追記:ペリックスの商品がしばらく在庫切れが続いているのですが、同じ形の商品がサンワサプライから発売されていました。おそらくOEMかと思われます。
自作キーボードのパーツやキットを販売しています。ぜひどうぞ。