HHKB StudioリニアスイッチとKailh Deep Sea Silent Box Switch Isletを簡単に比較しました
HHKB Studioの保守用に販売されていたリニアスイッチの画像を見て、どこかで見たことのあるキースイッチだなとふと思いました。
まずは以下のキースイッチを購入。
どのキースイッチに似ているかもというと、当店で販売している Kailh Deep Sea Silent Box Switch Isletでした。毎日のように梱包作業で見ていますし、分解も何度かやっていますので構造は頭に入っています。
以降、画像はかなり雑に撮影しています。似ているかどうかは各自判断ください。
キースイッチは10個入り。メーカーロゴ入りのキースイッチプーラーが入っています。プーラーは当店で販売してるものと同じようです。専用のケースがしっかりしててすごいなと思いました。
トップハウジング。左が Kailh Deep Sea Silent Box Switch Islet、右がHHKB Studio リニアスイッチ。樹脂色が異なります。またライトカラム部分のモールドが異なります。HHKB StudioはLEDがついていないので、ライトカラム部分が塞がっています。
ボトムハウジング。右が Kailh Deep Sea Silent Box Switch Islet、左がHHKB Studio リニアスイッチ。樹脂色が異なります。モールドの違いはわかりません。
ステム。上が Kailh Deep Sea Silent Box Switch Islet、下がHHKB Studio リニアスイッチ。樹脂色が異なります。どちらも薄くルブがされています。モールドの違いはわかりません。
スプリング。上が Kailh Deep Sea Silent Box Switch Islet、下がHHKB Studio リニアスイッチ。バネの巻き数が異なります。材質は変わらないように見えます。
参考までにKailh DeepSea Silent Islet のメーカーが公開している内部構造の図を貼ります。Kailh DeepSea Silent Islet については、分解したものはこの図と同じ構造と部品でした。HHKB Studioリニアスイッチは、図にあるライトレンズ(Light guide post)はついておらず、トップハウジングの形状が異なる(ライトレンズ部分がふさがっている)その他のパーツは両方とも同一形状に見えました。
樹脂の材質については判断がつきかねますが、見た感じでは両方同じ材質に見えます。ただし着色されている顔料によって、樹脂の粘性に変化が見られる場合がありますので、厳密に同じかどうかというと、異なるのかもしれません。
多くのキースイッチメーカーは、自社ブランドのキースイッチの他に、ショップブランドでのカスタムスイッチやメーカー向けにOEM提供を行うことで製造数を確保しています。
ハウジングやステムの製造には金型が必要です。キースイッチのような精度が求められる精密金型は高額です。この金型費用をペイするために、キースイッチメーカーは自社ブランドのキースイッチの他に、その金型を用いたカスタムスイッチやOEM提供を積極的に行い、原価償却を進めてゆきます。
Kailhについては、Kailhブランドのキースイッチの最少発注単位が数千個となります。金型を変更せずに、ハウジングやステムの樹脂色や樹脂材質の変更、スプリングの変更といったカスタムスイッチの場合は、数万個のオーダーで実現可能と聞いたことがあります。なお金型から新しく設計して製造してもらうとなると、一桁以上数が上がるか、設計や金型製造のイニシャル費用を発注側が負担するかなど、多額の費用と調整が必要な模様です。
こちらのキースイッチは当店で好評販売中です。TTCのFrozen Silent V2のように超静音という感じではないのですが、そこそこ静音性が高いのと、構造上(構造図にあるスライダー)のせいか、サイレントリニアでもごくわずかのひっかかり(非常にわずかです)が感じられます。それがなんとなく、静電容量方式のスイッチの感触になんとなく似ているのではないかという意見もあります。
よろしかったらご検討ください。