2025年4月3日、アメリカが世界の貿易相手国に対して相互関税を課すと発表しました。さらにこれまで中国や香港からの小口輸入に適用されていたデミニミス免税ルールを、2025年5月2日をもって廃止することも明らかにされています。
この制度は、申告額が800ドル(約12万円)未満の小包には関税をかけないというもので、TemuやSHEIN、AliExpressなどの中国の海外向け格安通販サイトがアメリカに商品を安く届けるための一種の“抜け道”として利用されてきました。
こうした変更は一見中国とアメリカの話であって、日本の私たちには関係ないように思えます。
しかし出荷元である中国の物流体制に大きな影響が出る可能性が高く、間接的に“日本向けの通販”にも遅延や混乱が起きるかもしれないという点は、気に留めておいても損はありません。この件について簡単に解説します。
米国の制度変更による中国側への直接的な影響
🔸通関処理が急増
これまで800ドル以下であれば自動的に通関できた荷物が、5月以降はすべて関税申告と検査対象になります。
その結果、中国国内の倉庫では、ラベル貼付・税関書類の準備・分類・検査といった処理が急激に増えます。
🔸米国向け荷物が詰まることで他国向けにも波及
TemuやSHEINのように、膨大な出荷量を持つ米国向け通販サイトでは、発送業務が一時的に大きく滞る可能性があります。
その混雑が、同じ倉庫・物流ルートを共有するAliExpressや他の通販ルートにも波及することで、日本向け出荷のスピードも落ちる可能性があると見られます。
🔸国際小包の輸送経路にも一時的な負荷
EMSやePacketなど、小口向けの国際配送便に対しても、発送元・輸出通関・搭載処理の段階での遅れが出る恐れがあります。
日本の私たちに起こりうること
日本の関税制度には今回のような変更はなく、中国→日本の通販自体は制度上は従来どおり使えます。
ですが、上記のように出荷元である中国側の処理能力が圧迫されると、間接的な影響が出ることは避けられません。
たとえば、
- 「発送準備中」のまま数日止まっている
- 「発送されたけど、追跡が動き始めるのが遅い」
- 「ePacketで10日以上かかっている」
といった、配送スピードのばらつきや一時的な遅延が起こりやすい状況になります。
どう対応すればいい?
✅「今すぐ必要なもの」は国内在庫からの購入を優先
急ぎの買い物であれば、Amazonや国内ショップの国内在庫品を選ぶほうが安心です。
中国直送は価格は魅力的でも、今は“気長に待てる商品”向きと考えるのが無難です。
✅ 配送が遅れていても、焦らずに様子を見る
現時点でも発送から10日以上かかっているケースも珍しくなくなっています。
いまは「少し遅れているのが普通」と考えて、過度に不安にならないことも大切です。
おわりに
今回のアメリカによる制度変更は、いわば“地球の反対側”の話ですが、 通販というグローバルな物流のネットワークでは、小さな変化が遠くまで影響することがあります。
中国通販を活用する私たちにとって、今回の変化はまだ「直接的な負担」にはなっていませんが、 しばらくの間は、ちょっとした発送の遅れや不安定さが起きやすいタイミングとも言えそうです。ぜひご注意ください。
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