少し前に送られて来た謎のキースイッチです。今日はこのお話を書くこととします。
お店をやっているせいで、時々海外の方々から売り込みの連絡が来ます。いまや当たり前ですが、連絡のある方々のほとんど全てがWebサイトを持っていて、どのようなものを作っているかがわかります。社名やブランド名も確認することができるので、海外のレビュー記事などでの評判を検索して、購入するかどうかを検討します。
ところがこの謎キースイッチの話のはいり方はちょっと違いました。
工場の画像を送ってきて、うちはこんな設備を持っていて色々なキースイッチをつくることができる。品質も良い。あなたのお好みの仕様で作ることができるので検討してくれとの連絡がきたのです。
工場の写真を送られても、正直それが本当に存在するのかを含めてわからないですし、中国語の社名も聞いたことがないし検索しても出てこない。どのようなブランドの商品を作ったのか、実績があるのかと聞いても教えてくれない。
話していてもいまいちらちがあかないのでサンプルをもらうこととしました。それがこの写真のキースイッチです。
すごい色です。
色はおいておくとして、ケースの爪部分やステムはKailhの一部のキースイッチにかなり似ています。精度は悪くはありません。これで色とスプリングの重さを変えて作るのでしょう。
一応価格を聞いたのですが、おおよそKailhのカスタムキースイッチの最低発注数量と仕切価格に似たものでした。
少しだけ、自社ブランドのキースイッチの野望が頭をよぎったのですが、売れずに在庫を抱える姿が浮かんできましたので、今回はお断りしました。今の日本の状況では、有名なメーカーの製品で、良いレビューと評価がないものでないとうまく購入には繋がらないので、と先方には伝えておきました。
ここ数年、様々なメーカーからたくさんの種類のキースイッチが販売されてきました。追ってゆくのもなかなか大変です。なんとなくの想像なのですが、もしかするとキースイッチの供給が過多になってきたのではないかなと思います。工場設備が余りはじめ、困った工場が営業活動をはじめているのではないか、と思いました。
ここしばらくは注意深く見てゆこうかなと思っています。