しばらく愛用しているキーボードです。名前は KEY_TOYS_73 といいます。名前の通り73キーのOrtholiner(直交配列)の自作キーボードキットです。
一般的なOrtholinerのキーボードの場合、どうしてもいくつかのキーを差し替えたり用意する必要があるのですが、KEY_TOYS_73 は104キーのキーキャップセットをそのまま利用できるレイアウトとなっています。その理由は、レイアウトの一部にすきまを設けて、キーサイズをそこで吸収しているからです。さらに大きめなすきまは空洞を作っており、それがデザイン的な魅力を生み出しています。PCBソケットを採用しているので、キーキャップだけではなくキースイッチもすぐに交換可能です。
それでは組み立てに入ります。まずはパッケージです。横に長く分割キーボードではなく一体型なので、パッケージがとても大きく感じます。パッケージはこれが二つ折りになり、ビニールのクッション素材で梱包されて来ました。しっかりとパッケージされていてかっこいいです。同梱パーツの中にはスタビライザーもありましたが、これがなかなかかっこいいスモークとゴールドのスタビライザーで、うれしくなりました。
いきなりPCBソケットとダイオードがついています。組み立て自体はソケットとダイオードをはんだづけし、スタビライザーを組み込み、Pro Microにコンスルーを取り付けてという形ですので、難易度は高くありません。LEDはありません。ただし73キーですので、少し集中力と忍耐力が必要です。ちなみに足つきダイオードがはんだづけされていますが、本当はキットに添付されたSMDダイオードを使います。なんとなく足つきダイオードを使ったら、数カ所スタビライザーと干渉してしまったので、SMDダイオードにつけかえました。
アッパーとボトムのPCBプレートはつや消しブラックですが、中間のPCBはこのようにむらさき色です。KEY_TOYS_73 のロゴがとてもかっこいい。ロッキーホラーショーみたいですね。
通電は問題なさそうなのでキースイッチの装着を開始しています。キースイッチはあえて以前特売していたBSunの赤軸を使いました。しかししっかりルブとフィルムはつけています。比較的落ち着いた音と感触になりました。気に入っています。
ボトムプレートにも KEY_TOYS_73 のロゴです。かっこいい。このロゴを持ってくるセンスって、他の自作キーボードにはない感じで気に入っています。
かっこいい。満足です。裏から見るとすきまがいろいろあるのがわかります。
キーキャップを FILCO Majestouch専用 104英語配列 2色成型 カスタムカラーキーキャップセット に変更しています。渋くてよい感じです。すきまがかっこいい。
利用頻度の多いバックスペースの位置が通常より離れているので、最初は左の空洞を何回か叩こうとしてしまいましたが慣れました。その他は特に違和感なく使えます。
Pro Microがむき出しなのは、最初は気になりましたが途中で忘れちゃいました。ミニマルなデザインなので、なんとなく溶けこんでしまっています。
私の使い方ですが事務作業が多いので、ここまでキー数が多いと楽に入力ができます。ファンクションキーは使わないのと、キーボードをモニタ側に寄せて、キーボードと身体の間に資料やノートを広げて作業をするので、縦幅が狭いのは重宝しています。
また仕事がらキースイッチやキーキャップの確認やテストを行う事があり、その際にこれを使っています。あまり使わないキーの場所に、テストするキースイッチを装着して確認したりしています。
一見不思議な形ですが、Ortholinerに慣れている人も使いやすく、一般的な配列のキーボードからも比較的移行しやすいキーボードだと思います。キーキャップやキースイッチを交換する方にもおすすめです。
デザインとして不安定ではあるのですが、僕としては安定しているデザインはしばらくすると飽きる性格なので、ちょうど良いです。PlanckやPreonicはエレキギターでいうとフェンダーのストラトキャスターのように、普遍性のある安定したデザインだと思いますが、完璧すぎて時々飽きてしまうのです。少しずれたり不安定なデザインのものが、飽きないような気がしています。僕としてはですが。
このPCBのサイズだと、原価は結構高いのではないかと思います(PCBの製造費用は面積に応じて高くなります)ので現在の販売価格はかなりお買い得だと思います。ぜひ検討してみてくださいね。