TALPKEYBOARD BLOG

TALPKEYBOARDは、2017年に開店した日本で初めてのメカニカルキーボード等のパーツ専門のネットショップです。ここでは自社商品にこだわらず面白い商品や情報をポストします。本サイトのリンクの一部はアフィリエイトを利用しています。

方眼工作紙とエアコンパテを使って作られた自由な自作キーボード

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https://e3w2q.github.io/

先日e3w2qさんがTwitter上で公開されて、多くの方々にショックを与えた作品を紹介します。見た目は4x10のキーボードですが、何かが違います。ケースです。小学校の工作でよく使った方眼の工作紙でできています。つまりこのキーボードのケース素材は紙です。詳しく見てゆきましょう。 

 

重くて内部空間が少ないと打鍵感が良いという事実を確認するために、工作用紙に防水加工をほどこしケースを作成、SU120で基板を作成、すきまをエアコンパテで埋めてゆく作戦です。一般的なホームセンターで販売されている、安価な材料で作られています。エアコンパテは一袋70円前後です。

 

そうなんです。一から自作するというのは、大変さ、技術、時間と引き換えに、自分が欲しかった世界に唯一のものを手に入れられるという喜びがあります。それは既存のメーカー製品やキットを制作するのとは、少し違うものだと思います。

 

もちろん技術的に作れないものもありますし、デザインや素材などの制限は出てきてしまいます。またプロの方々が作られたキーボードとはどうしても差がでてきてしまう事は仕方がない事です。でも自分で考えて作るのって、楽しいんですよね。 

 

ほんとに全部方眼工作紙で作られていますね。小学校の時これでいろんなもの作りました。なつかしい。プロトタイピングするなら、単純な造形であれば3Dプリントするよりもこちらのほうが全然早いですね。今度やってみよう。

 

キースイッチを固定するプレートと基板の間、そして基板から下の部分にエアコンパテを詰めているイメージですね。ケーキ型に材料詰めている感じに見えます。

 

短い時間ですが打鍵音が聴けます。思った以上にいい音がしています。反響するすきまが少ない、比重が重く音を吸収する素材であれば打鍵音はよくなるという事がこれでよくわかります。すばらしい。

エアコンパテはこちらです。Amazon Choiceになっています。税込91円と、全く高いものではありません。小学校の粘土のサイズを連想しがちですが、実物は10cm x 5cm x 2cm程度と比較的小さいのでご注意下さい。

 

みなさんがエアコンパテでキーボードを作られたり改造されたりする中、注意事項も見えてきています。はなちさんが注意事項を記していますので引用します。

エアコンパテは本来配管のすきま埋めで使われます。一度施工するとエアコンホースが外される数十年先までくっついておく必要がありますので、粘着力も相当なものです。PCBに塗り込むようにつけてしまうと、剥がす時に電子部品やジャンパ線を持っていってしまうかもしれません。ご注意下さい。

またエアコンパテには若干の油分が含まれています。可能性は少ないとは思いますが、PCBの表面の塗装やメッキ、ケースの塗装、樹脂部分などになんらかの侵食や跡を残す可能性があるかもしれません。あくまでも自己責任でお試し下さい。

追記:ケースの表面の塗装を若干食うかもしれません。

 

私でいくつかの素材にパテをつけて経過を見てみようと思います。状況はまた報告します。こういうのもまた楽しい工作の醍醐味です。

 

柔軟な発想と手を使ってモノを作る精神があれば、ある程度お金をかけずに目的に達することができるということを、ぜひご理解いただけるとうれしいです。

 

こちらは自作キーボードを試作するための基板SU120のページです。

e3w2q.github.io

 

SU120は当店でも販売しています。

talpkeyboard.net