TALP キーボードブログ

TALPKEYBOARDは、自作キーボードのためのパーツやキットを販売するショップです。TALP キーボードブログでは、当店で販売している商品に限らず、また自作キーボードにもこだわらず、キーボードについてのさまざまな情報を、独断と偏見で記してゆきます。

Apple Pro Mouse

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このマウスは2000年7月、当時一世を風靡したG4 Cubeとともに発表されたApple Pro Mouse (m5769)です。先進的なデザインで人気がありましたが、これまでのApple製マウスと同様、1ボタンでホイール無しという仕様だったため、2005年に小型のトラックボールを搭載した Apple Mighty Mouse の発表と同時に生産終了となった、比較的短命な製品です。

最大の特徴は形状です。非常に透明度の高いプラスチックでできています。これは一つのパーツでできていて、後で接着や磨きは行っていないそうです。と昔とあるおじさんに聞きました。

 

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以前の会社で、富士通の関連会社と取引がありました。担当のおじさんは定年近くで本社からの出向で、もう定年待ちで仕事は流してやっていて、納期を守らずいいかげんで、詰めると言い訳ばかりする人でした。

ある日おじさんとAppleの話になったときに、おじさんが少しうれしそうな顔をしながら話しはじめました。Apple Pro Mouse はうちの会社で請け負って作ったんだ。だけど...というお話。接着するな一体成型で作れ、後工程で磨きをかけずに良いように金型表面を平滑にしろといったデザイン面の要求が非常に厳しかったそうです。それでもプロジェクトのみんなは頑張って設計して、作った金型は職人さんが何度も確認しながらしっかりと磨き上げ、素晴らしい金型が仕上がったそうです。

しかし量産が開始された直後、金型が割れてしまったのです。熱がうまく逃げなかったと話してました。もちろん金型は再制作、費用はこちら持ち。おじさん曰く3000万かかってしまい、完全に赤字だったとの事でした。デザインに重きをおくと技術側に負荷がかかり、技術的に楽なものにするとデザイン的にイマイチになってしまうというバランスが、いまいち取れていなかったのだと思います。

さすがに次のマウスを請け負う気力がなくなったのでしょうか、Apple Mighty Mouse はミツミ電機が請け負ったようです。

その話をしてくれた時のおじさんは生き生きしていてうれしそうでした。Appleのデザイン史に残る製品に携わることができたという誇りがあったのでしょうか。だけどその後の仕事はあいかわらず適当でしたけど。

 

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マウスは売っていませんが、自作キーボードパーツを中心に販売しています。

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